データを「伝わるデザイン」に 変える!インフォグラフィックスの 魔法とポイント

コンテンツデザイン部 M.T

「データ」って聞くと、どんなイメージですか? 固い、難しい、眠くなる…。そんな印象をお持ちの方も多いかもしれません。でも、インフォグラフィックス(インフォグラ)は、そんな無味乾燥なデータを、一瞬で「見て楽しい!」「思わず誰かに教えたい!」という物語に変える魔法です。

今回は「分かりやすい」の先にある「伝わる」インフォグラを作るためのポイントをご紹介いたします。


魔法をかける前の「情報整理」のコツ:なぜ、そして何を?

伝わるインフォグラを作るには、まず情報を徹底的に整理する必要があります。

■伝えるべき「核」は何か?(Why & What)

大量のデータに圧倒されてはいけません。

最初にすべきは、「このデータが伝えたい、たった一つのメッセージは何か?」を問いかけることです。

例えば、「全国の店舗の売上データ」があっても、伝えるべきメッセージは「地方の小規模店舗の成長率が著しい」かもしれません。この「核」が、ビジュアルの方向性を決定します。

■情報を「分解」し、「再構築」する

情報を単なる箇条書きではなく「構造」として捉え直します。

◯ 時系列で分解:プロセスや歴史の流れがあるなら、物語のように順番に並べる。

◯ 因果関係で分解:原因と結果、問題と解決策を矢印や線で結びつける。

◯ 階層構造で分解:全体から細部へ、または重要度順にピラミッド型に並べる。

この整理の段階で、すでに「チャート」「ダイアグラム」といったビジュアルの形が見え始めてきます。


データを「作品」に変える!表現への落とし込み方

情報が整理できたら、いよいよビジュアル化です。

「分かりやすい」をクリアしたら、次は「見せ方」を工夫していきましょう。

グラフにとどまらない、表現の多様性を楽しむ

棒グラフや円グラフは基本ですが、それだけでは人々の興味関心をひく「楽しさ」「面白さ」は生まれません。

データの本質に合わせて、柔軟に表現を選びましょう。

以下は分かりやすく伝えるための表現の一例です。

◯ ダイアグラム

どんな時?:複雑な仕組みや構造を説明する時 

表現のヒント:ステップごとに区切って分かりやすくしたり、時間軸を強調してストーリー性を持たせる。 

◯ マッピング

どんな時?:空間的な位置や関連性を示す時

表現のヒント:データに合わせてマップの形をデフォルメしたり、アイソメトリック(等角図)表現を使う。  

■ユーモアを生む「メタファー(比喩)」を仕込む

インフォグラフィックスが「作品」になるかどうかは、いかに「記憶に残るメタファー(比喩)」を使えるかにかかっています。

例えば、「急速な成長」を示すのに、ただの棒グラフではなく、ロケットや高層ビルの形をしたグラフを使う。

また、「時間の浪費」というテーマなら、砂時計や水漏れするバケツのイラストを使うなど。

データの本質を損なわない範囲で、日常にある身近なモチーフに置き換えることで、無機質なデータに感情や物語が宿り、見た人の記憶に深く刻まれます。

■制作の最終チェック:「ユーモアの線引き」を守る

興味関心をひく目新しい表現をすることは大切ですが、忘れてはいけない線引きがあります。

◯ データの正確性との両立

どんなに面白くても、数値や事実に誤解を生むようなデフォルメは絶対にNGです。

ユーモアは「表現」に使い、「情報」そのものは誠実に扱います。

◯ ターゲットの配慮

ターゲット層(例:BtoBの経営者層、一般消費者)に合わない、

不適切なジョークや過度な表現は避けます。あくまで「知的好奇心を刺激するユーモア」を目指しましょう。

この「正確さ」という土台の上に、デザイナーの遊び心という屋根を乗せることで、インフォグラフィックスは「分かりやすい資料」から「発信力のある作品」へと進化するのです。

医学的な内容を魅力的なカラーリングで分かりやすく表現

マッピングやタイムラインで、複雑な内容も読みたくなるグラフィックに


まとめ

アートフリークのコンテンツデザイン部は、複雑な企業理念や製品データを、見る人の心に届く「物語」として具現化することを得意としています。

「うちのデータは固くて…」「もっと楽しく伝えたいけど…」といったお悩みがございましたら、ぜひ、弊社の制作実績をご覧いただき、ご相談ください。